ビートルズ売出し中を意味する題と裏腹に深い名曲揃いの過小評価されたアルバムとは?

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Beatles For Sale

アルバム・フルプレイリスト 

 Contents

 

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息つく暇もない過密スケジュールの中で

 

ビートルズが初主演映画と連動した初期の最高傑作の誉れ高いアルバム3rdアルバム『ハード・デイズ・ナイト』をリリースしたのは1964年7月10日だが、その日彼らは故郷リバプールで同名映画のプレミア・ショーに出演した。

 

しかも同日にテレビの生出演、その翌日もテレビ出演収録、翌日はコンサート・・・そんな風にスケジュールに追われる日々が4thアルバムの録音開始日の前日、8月10日まで続いたというから、ブレイクぶりは半端ではなかった。

  

それでも『ハード・デイズ・ナイト』リリースの1ヶ月後には次なるアルバムの制作を始めなければならないのは、年間2枚のアルバムを出すというEMIとの契約があったからだ。

 

さらにはその新アルバムは同年のクリスマスシーズンに向けてリリースされる予定でもあり、超過密スケジュールの合間を縫っての強行軍のレコーディングとなった。

 

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オリジナル曲への情熱滾るジョンとポール

 

アルバム収録が始まり本来のミュージシャン生活に戻るのも束の間、8月19日から9月21日まではアメリカでのハリウッドボウル公演を含む大規模な北米ツァーで録音は中断することになる。

 

そのような凄まじく多忙な日々の中でも、ジョンとポールは積極的にオリジナル・チューンを書いた。

 

さすがに前作『ハード・デイズ・ナイト』のような全曲オリジナルというわけにはいかないが、それ以前のアルバムのオリジナルとカバー曲のバランスと同様、14曲中8曲のオリジナルをアルバムに収録した。

 

その8曲がまた、何とも味わい深い名作・佳作揃いだ。

 

 

 

一般的にはこの『ビートルズ・フォー・セール』というアルバムの評価は、彼らのアルバム群の中では低めである。 

 

「ビートルズ売り出し中」という意味の軽めのタイトルのせいなのか、はたまた『ハード・デイズ・ナイト』という華々しいヒットアルバムと、話題の映画主演2作目の『ヘルプ!』と連動したアルバムに挟まれたせいなのか?

 

たしかに派手さはないが、むしろアイドルから脱皮し、弱さも抱える人間味ある青年たちのアルバムとして秀逸である。そういう意味でとても素敵なアルバムであり、筆者も個人的には前作より好きである。

 

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ビートルズ内の「ディラン・ブーム」⁉️

 

この『ビートルズ・フォー・セール』にはフォークの大御所であり最近ではノーベル賞受賞で話題にもなったボブ・ディランの影響が色濃く見られる。

 

それはサウンド面でもフォークロック風の曲が多いという意味もあるがそれ以上に、歌詞が内省的なものが多く、それまでのどちらかといえばシンプルなものから、人生観や世界観の深みがある曲が増えている。

 

とりわけジョンの書く歌詞がそうだ。自分自身の弱さや煩悩を隠さず、赤裸々に綴ったものが多い。

 

その発端は1964年の1月のパリ公演の折に、地元のラジオ局からインタビューを受けた時に、ポールがインタビュアーからせしめたボブ・ディランの2ndアルバム『フリー・ホイーリン』にある。

 

 

このアルバムを聴き終わるや、興奮したジョンはポールと連れ立って街に繰り出し、ディランのファーストアルバムを購入した。

 

 

その日以降、彼らの中で「ディラン・ブーム」が起こり、3週間に及ぶパリ滞在の間ずっと、その2枚のディランのアルバムを彼らは聴きまくったという。

 

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音楽史を彩ってゆく出会い

 

そして翌月2月のアメリカ・ツァーの時にディランと出会うことができ、彼らの親交が始まる。ディランに深く傾倒したジョンだけでなく、ジョージにおいては後にディランと深い友情を築くことになる。

 

1971年8月にジョージはシタールの師匠ラヴィ・シャンカールとともにロック史上初めてのチャリティコンサート『バングラデシュ難民救済コンサート』をマディソン・スクエアガーデンで挙行した。

 

エリック・クラプトンをはじめとした錚々たる顔ぶれのミュージシャンがノーギャラで参加したが、その中で最も大御所はボブ・ディランであった。

 

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そういった数々の音楽史の出来事にもつながる源流が、このアルバムにはあるのだ。『ビートルズ・フォー・セール』を未だ熟聴していない音楽ファンの方は、ぜひ一度耳を傾けて頂きたい。

 

このブログにて、今後しばらくは『ビートルズ・フォー・セール』の珠玉の名曲について語っていこうと思う。

 

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